レポートの読み方

概要

当サイトで公開している企業レポートは、中上級者の個人投資家を対象に記述しています。記述内容を一発で理解することが難しい構成となっていますので、当サイトのレポートの読み方を紹介します。すべてのレポートを同構成で記述しているため、読み方さえ理解できれば欲しい情報に容易にアクセスすることができます。

レポートの役割

当サイトのレポートは過去10年間における当該企業の重要な動向をできるだけ簡便に捉えることを主眼に記述されています。そして、企業動向を掴む着眼点として、株価・業績・財務の切り口を重視しています。過去10年間の企業動向を株価・業績・財務の着眼点から時系列的に捉えることで、当該企業が歩んでいる潮流を理解することができます。

企業の未来をすべて的中させることは不可能ですが、当該企業が過去にどのような行動を積み重ねてきたのかを直視することは可能です。当サイトのレポートは、当該企業の過去の行動と未来に考え得る潮流に言及することを重視しています。過去の行動には、当該企業の戦略や文化が如実に表れる為、投資先企業を理解する助けとなる筈です。

レポートの構成

企業レポートは8項目で構成されています。当該企業に対する総合評価はレポート末尾に記述していますので、そちらをご覧ください。

1.株価の推移

■当該企業の株価推移
過去10年間における株価推移を検証しています。株価は企業価値に対する株式投資の評価そのものであり、当該企業がこれまでどのように評価されてきたのかを時系列で追う点で重要です。過去に不自然な急騰急落がある場合にはその理由を検証することで、当該企業の株価特性を把握することに努めています。

■日経平均株価との相関性
当サイトでは日経平均株価の推移を比較対象として示すことで、当該企業の株式と日経平均株価の相関性を検証しています。日経平均株価との相関性を検証することで、当該企業の株式が株式市場全体の趨勢にどれだけ追従するかを測っています。日経平均株価との対比に適さない株式も存在する為、あくまで株価の値動きの特性を測るうえでの参考として捉えて下さい。

2.業績の推移

■売上高の推移
売上高は企業規模を測るうえで有用です。売上高は当該企業が社会的にどれだけ必要とされているかの参考指標です。売上高が拡大傾向にある企業は社会のニーズに対して有益な製品・サービスを提供できていますが、減少傾向にある企業は社会のニーズが剥落しつつあるか付加価値を失いつつある状態です。ただし、売上高が景気循環に応じて変動する企業も少なくないので、時系列で長期的傾向を読み取ることが重要です。

■営業利益の推移
営業利益は収益力を測るうえで有用です。営業利益は当該企業の製品・サービスの競争力を測る参考指標です。社会のニーズに有益な製品・サービスを提供すれば売上高を伸ばせますが、競争力がなければ利鞘を得ることはできないからです。ただし、最終的な企業の取り分は純利益である為、営業利益と併せて純利益も推移グラフに記載しています。

3.売上高の構造

■各セグメントの過去推移
事業セグメント別に過去の売上高を検証しています。各セグメントが過去10年間でどのような売上高で推移したかを検証することで、当該企業の売上高構造を把握することが可能です。各セグメントの趨勢を把握することで、当該企業の将来の売上高の予測がしやすくなります。

■各セグメントの将来予測
事業セグメント別に将来の売上高を予測しています。当サイトの掌握している情報と業界動向を合わせて、将来的に各セグメントの売上高がどのように推移しそうか見解を記述しています。当サイトでは、各セグメントに対して5段階(増加・微増・横ばい・微減・減少)で将来予測を提示しています。

4.営業利益の構造

■各セグメントの過去推移
事業セグメント別に過去の営業利益を検証しています。各セグメントが過去10年間でどのような営業利益で推移したかを検証することで、当該企業の営業利益構造を把握することが可能です。各セグメントの趨勢を把握することで、当該企業の将来の営業利益の予測がしやすくなります。

■各セグメントの将来予測
事業セグメント別に将来の営業利益を予測しています。当サイトの掌握している情報と業界動向を合わせて、将来的に各セグメントの営業利益がどのように推移しそうか見解を記述しています。当サイトでは、各セグメントに対して5段階(増加・微増・横ばい・微減・減少)で将来予測を提示しています。

5.財務の健全性

■手元資金の推移
手元資金は企業存続の安全性を測るうえで有用です。少なすぎれば有事の際に資金ショートのリスクが生じる反面、多すぎれば余剰資金を有効活用できないことを示唆します。保守的な企業は過剰な手元資金を蓄財する反面、積極的な企業は過小な手元資金で事業拡大を続ける傾向が顕著ですので、企業体質を見通すうえでも有用です。

■自己資本比率の推移
自己資本比率は企業存続の安全性を測るうえで有用です。自己資本比率が高いほど、返済不要の自己資本での企業経営を実施していることを示します。ただし、高すぎる自己資本比率は自己資本利益率(ROE)を低迷させるため、株式投資家からは「資本効率が悪い企業」と見做される傾向があります。経営の安定を担保する程度で高すぎない自己資本が理想的です。

6.株価の割安感

■BPSの推移
1株当たり純資産(BPS)は株式の背景にどれだけの純資産があるかを測る指標です。過去10年間に渡ってBPSを成長させている企業は、株主にとっては保有しているだけで株式価値を高めてくれる企業と解釈できるでしょう。ただし、BPSを構成する資産がどのような資産クラスで保有されているかは注意が必要です。換金性が高い資産で保有されている場合と、換金性が低い資産で保有されている場合では見方を分ける必要があるでしょう。

■PBRの推移
株価純資産倍率(PBR)はBPSに対してどれだけの株価で取引されているかを測る指標です。PBR1.0倍を下回れば企業の解散価値を下回る価格で取引されていることを示唆します。常識論では「解散価値を下回るPBR1.0倍未満であれば割安」と判断されますが、近年の株式市場では通用しない局面が増加しています。株式投資家から当該企業がどれだけ割高で投資されているかを測ることに用いることを推奨します。

7.配当金の推移

■配当金の推移
配当金は当該企業の株主還元の姿勢を測る指標です。配当金の金額は上場企業の裁量に委ねられるため、積極的に株主に利益還元する企業と内部留保を優先する企業とに分かれます。ただし、配当金を積極的に支払う企業は自社の成長に向けた投資先に窮しているが故に株主還元を強化している場合が多い点には注意が必要です。そのため、企業の成長フェーズと財務体質に応じた配当金を支払っているかに着眼すべきでしょう。

■配当利回りの推移
配当利回りは株式投資家が配当金からどれだけの利回りを得られるかを測る指標です。当該企業が堅実に配当金を増やしても、それ以上の株価上昇を遂げれば株式投資家が得られる利回りは減少してしまいます。将来的な減配が起こりうると判断する株式投資家が増えると配当利回りが上昇する傾向があるので、過去10年間の推移に対して突出した配当利回りになっている場合には減配リスクを警戒する必要があります。

8.総合評価

■目標株価
当サイトの目標株価を提示しています。当サイトの提示する目標株価は、諸指標を総合的に勘案した上で今後1年間の株価レンジの中央値となると想定する株価です。ここでいう諸指標には、①目先の業績予想、②同業他社の株価動向、③株式市場の動向、④絶対的な割安性と安全性、が含まれています。細心の注意を払って目標株価を設定しますが、あくまで参考値であり、絶対的なものではありません。

■投資判断
当サイトの当該企業に対する投資姿勢を提示しています。当該企業に対する将来予測を5段階(強気・やや強気・中立・やや弱気・弱気)で示しています。株価は株式市場の動向次第で当該企業の実力値と乖離した動きをするため、目先の株価を考慮しない純粋な当該企業の先行きを投資判断という形で提示しています。