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企業レポート

東京製綱(5981)の分析|再度の業績悪化で株価急落中

基本情報

東京製綱(5981)は、東京都中央区に本社を置く金属製品メーカーである。ワイヤーロープにおいては日本を代表する企業であり、創業130周年を迎えた名門企業である。東京製綱の製品は橋梁・建設・漁業など幅広い用途で用いられているが、最近は大規模橋梁や超高層エレベータ向けの製品が主力となっている。

目次

株価の推移

株価は中長期の低迷傾向が継続

■株価の特性
株価は上下変動が激しいが、過去10年間で徐々にレンジを切り下げながら低迷している点が目につく。過去10年間は東京製綱の業績不振が続いていた為、リーマンショック以降の株価推移に限れば現在は最安値圏である。本来の株価推移は景気動向に株価が連動する典型的な景気循環株の推移に近いが、東京製綱の業績不振を受けた低迷の渦中にあると考えてよい。

■過去の株価推移
2012年と2017年に株価急落が発生している。2012年の急落は純損失288億円を計上したことてBPSが大きく毀損したことが原因である。これは東京製綱の売上高600億円規模という企業規模を考えると未曽有の純損失であった。2017年の急落は災害影響こそあったもののの純利益97%減という業績懸念を抱かざるを得ない業績となったことが原因である。過去10年間の株価推移は業績不振と短期的回復の繰り返しであったといえよう

日経平均株価とは逆行安で推移

■日経平均株価との相関性
日経平均株価とは逆行安で推移している。2012年から2018年に限っては株式市場の好況を受けて多少の相関性が見いだせる推移ではあったが、東京製綱の業績不振によって株価下落に転じた。歴史的には日経平均株価に追従する株価推移を描いてきたが、過去10年間に限っては東京製綱の業績不振による乖離の拡大が顕著である

■過去の日経平均株価との相関性
2000年代には東京製綱が日経平均株価をアウトパフォームする時代があった。2002年には壊滅的な業績不振によって株価350円を記録したが、工場閉鎖と子会社清算によって再建に成功した4年後の2006年には株価3530円に至ったことで株価10倍を達成している。同時期の日経平均株価が2.09倍の伸びに留まったことを踏まえると相当な上昇率である。今回の業績不振をかつての様に乗り越えられるかに着目したい。

業績の推移

売上高は微減傾向が続く

■売上高の特性
売上高は過去10年間で800億円規模から600億円規模に縮小している。最主力事業である鋼索鋼線事業の売上高が400億円規模から280億円規模にまで縮小した打撃が大きい。同事業にはワイヤロープや繊維ロープが含まれるが、日本国内の農林水産業の衰退や大型公共事業の減少が売上高の減少を招いている。東京製綱はこの衰退を見越して新素材開発や海外展開に注力してきたが、最主力事業の縮小を補うほどの成果は上がっていない。

■過去の売上高推移
売上高は2007年から微減傾向が続いており、直近では640億円となっている。東京製綱が過去最高の売上高を記録した1993年の1050億円から▲39%の減少となっている。東京製綱の取扱製品は新興国でも製造可能であるものが多く、差別化が難しい。高付加価値製品では未だに東京製綱に優位性があるものの、売上高を徐々に奪われてきた歴史がある。高度経済成長期に業績を支えていた国内の大型公共事業が一巡している点も大きい。

営業利益は上下変動が激しい

■営業利益の特性
営業利益は概ね30億円規模で推移しており、営業利益率は5%水準である。売上高が過去10年間で▲17%の縮小となった反面、営業利益は概ね維持されている。反面、2012年と2018年には営業利益は急落しており、利益水準の安定化には成功していない印象である。これらの営業利益の急落は、いずれもスチールコード事業の不振が主要因であるため、同事業の舵取りによって東京製綱の営業利益が左右されていると見てよい。

■過去の営業利益推移
特筆すべきは、2012年に計上した営業赤字34億円だろう。同年の純損失は288億円にも到達しており、東京製綱の歴史において大きな転換点となった。過去10年間における業績不振は、鋼索鋼線事業の縮小を補う役割を期待されたスチールコード事業や開発製品事業による。こうした経緯から、縮小しつつも安定した営業利益を稼ぎ出す主力事業と将来を期待されながらも業績不振の要因となる新興事業という構造が見え透く

売上高の構成

鋼索鋼線事業(45%)

■事業内容
鋼索鋼線事業には、ワイヤロープ・各種ワイヤ製品。繊維ロープ・網などの製造販売が含まれる。東京製綱は農林水産分野で使用される古典的ロープから大規模橋梁や超高層ビル向けの高性能ロープまでを網羅する幅広い製品ラインナップを取り揃える。特にエレベータロープは東京製綱の主力製品であり、日本国内のエレベータに留まらず、中国・台湾・ベトナム等の超高層ビルのエレベータにも採用されている。

■過去の売上高分析
鋼索鋼線事業の売上高は概ね250億円規模で安定的に推移しており、売上高の約45%を占めている。同事業の製品は消耗品としての側面が強いことから景気後退期にも底堅い交換需要がある。そのため、景気変動にも影響されにくい安定的な事業となっている。他の事業は売上高の上下変動が激しく営業利益も安定しない為、鋼索鋼線事業の存在は重要である。2005年頃には売上高350億円規模であったことから事業衰退が進んでいると見る向きもあるが、過去10年間の推移が安定的であることから既に衰退期は過ぎていると判断する。

■将来の売上高予測
短期的には現状維持を見込む。東京製綱は海外におけるエレベータロープの拡販に注力しており、実際に台北101や上海環球金融中心などのシンボリックな超高層ビルにも採用されている点から競争力は高い。売上高の大半を占める国内需要は中長期的に衰退する為、海外における拡販に成功しても売上高の反転増加までは見込み難い。国内需要としては農林水産業の急激な衰退期の一過と国内エレベータの老朽化に伴う交換需要に期待したい。

スチールコード事業(25%)

■事業内容
スチールコード事業は、タイヤ用スチールコード・ソーワイヤ・コアワイヤなどが含まれる。ソーワイヤとコアワイヤは主にシリコンウェーハの切断に用いられる切削用ワイヤである。東京製綱のスチールコード事業は太陽光発電パネルの製造に必要とされるソーワイヤ・コアワイヤへの依存度が高く、太陽光発電パネル市況に業績を左右される為に注意が必要である。

■過去の売上高分析
2011年には260億円あった売上高が、2018年には108億円にまで縮小している。太陽光発電パネルの急激な市況悪化に見舞われたことで、高単価かつ高利鞘だったソーワイヤ・コアワイヤの需給が崩れた影響が売上高を直撃している。かつて東京製綱は太陽光発電向けソーワイヤを成長事業として積極投資を進めたが、結果的には完全に裏目となったと言える。太陽光発電パネルはコモディティ化が加速度的に進行しており、今後も価格下落が続きそうである。

■将来の売上高予測
短期的には微減を見込む。世界的に太陽光発電パネルの需要拡大は既に一巡しており、ソーワイヤ・コアワイヤの価格高騰は見込めない。欧州では太陽光発電パネルの既に普及が一巡している他、日本では法改正による普及率低下のリスクが生じている。太陽光発電パネルの価格下落が継続すれば、売上高への影響は避けられまい。

開発製品事業(23%)

■事業内容
開発製品事業は、橋梁用ケーブル・道路防護柵・落石防護柵・防雪防潮柵およびCFCCなどが含まれる。主要顧客は国土交通省や地方公共団体であり、公共事業への依存度が高い(CFCCを除く)。東京製綱の独自製品である CFCCは鋼材ケーブルの25%以下の重量でありながら、耐久性・柔軟性・耐腐食性において従来の常識を打ち破る特性を有している。

■過去の売上高分析
開発製品事業は売上高100億円規模は概ね確保しているが、総じて上下変動が激しい。これは売上高の大きい大型案件を受注した場合に、売上高の計上が特定年度に偏ることに由来する。こうした大型案件を受注した場合にはIRニュースで随時公開される為に確認しておきたい。なお、直近ではルーマニア向けの大型吊橋案件で長大橋用ケーブル7400トンを受注しており、2020年7月の納入開始が予定されている。

■将来の売上高予測
短期的には微増を見込む。日本国内において老朽橋梁の補修需要が見込める他、政府による国土強靭化投資による恩恵を得られると予測する。近年は中央アジアおよびイスラム圏での防災製品の拡販が推進されており、国内市場で培った製品技術の転写に期待したい。 CFCCについても優れた特性から将来的にも底堅い拡販を見込むことが可能であろう。

不動産事業(3%)

■事業内容
不動産事業は、賃貸不動産や太陽光発電が含まれる 。賃貸不動産は大阪府泉佐野市の旧泉佐野工場の土地をザイマックスに貸し出しており、商業施設(いこらも~る泉佐野)が現在は立地している。太陽光発電には、東京製綱が青森県八戸市に所有する遊休地に2015年に設置したメガソーラー発電所が含まれる。

■過去の売上高分析
不動産事業の売上高は約10億円規模で安定推移しており、売上高に占める割合は5%以下である。賃貸不動産は旧泉佐野工場の土地を賃貸しているのみであり商業施設の好不調は影響がない。太陽光発電についても、異常気象や災害がない限りは売上高が安定している。売上高に占める割合が低い上に安定事業であることから重要性は低い

■将来の売上高予測
中長期的に現状の売上高を維持すると見込む。所有不動産の活用という事業特性からして、売上高の積極的拡大は困難である。売上高の微減傾向が続く東京製綱にとっては低リスクで常時安定した売上高を見込める点は魅力的だが、売上高に占める割合が低いことから重要性は低い。ただし、特筆して競争力が高い不動産を保有しているわけではない点には留意したい。

営業利益の構成

鋼索鋼線事業(60%)

■過去の営業利益分析
鋼索鋼線事業の営業利益は安定的である。常に営業黒字を確保しており、2011年以降は東京製綱の営業利益の過半を稼ぎ続けている。エレベータロープや林業・水産・玉掛などの常に底堅い需要がある製品群が多いことが幸いして、景気動向に影響されにくく常時安定した営業利益を確保できている。特に2013年の営業利益増加が目覚ましいが、これは売上高増加とコストダウン施策が奏功した他、ベトナムにおけるエレベータロープの拡販による。

■将来の営業利益予測
現状維持ないし微増すると想定する。国内市場は現行水準を維持するが、海外における拡販が緩やかに進展すると想定する。東京製綱は海外においてエレベータロープの拡販が進めており、中国・台湾・ベトナムの高層ビルのワイヤロープを納入している。高層ビルのエレベータロープは高性能高品質を厳格に求められることから、東京製綱の強みを発揮しやすい分野である。2019年に推進した国内工場への効率化投資の成果が発露することにも期待したい。

スチールコード事業(0%)

■過去の営業利益分析
スチールコード事業の営業利益は不安定である。2012年には52億円ものセグメント損失が発生し、構造改革を行った経緯がある。この営業損失は太陽光発電ブームを睨んで行ったワイヤソー生産設備への積極投資をしたものの、需要が想定外に伸びず純損失を発生させた。2016年には市況好転で営業利益11億円を確保したが、2018年には再び営業赤字に沈んでいる。

■将来の営業利益予測
将来的にはスチールコード事業の営業利益は現状維持を想定する。ソーワイヤとコアワイヤは将来的な太陽光発電パネルの価格下落の影響を避けがたい。ソーワイヤとコアワイヤは高利鞘商品であるものの、景気動向と太陽光発電市況に販売量を左右されやすい。東京製綱はスチールコード事業において高麗製鋼の出資を受け入れて生産設備の刷新を実行する計画である。2021年までの黒字化を見込むものの、総額30億円規模の設備投資が重石となりそうである。

開発製品事業(0%)

■過去の営業利益分析
開発製品事業の営業利益は低迷傾向にある。橋梁向けケーブルやCFCCなど高利鞘にも思える商品が多い割には、営業赤字が継続している。東京製綱は成長戦略として独自製品のCFCCの拡販に注力しており、売上高の拡大には成功している。しかし、CDCCは先行投資負担が重く利益確保にまで至っていない事情がある。防災製品において新工場をカザフスタンに立ち上げた先行投資が発生した点も大きい。

■将来の営業利益予測
増加を見込む。CFCCにおける先行投資負担の解消と拡販が営業利益に貢献する公算が高い。CFCCは鋼材ケーブルの25%以下の重量でありながら、耐久性・柔軟性・耐腐食性において従来の常識を打ち破る特性を有している。独自製品であることから普及次第では高利鞘商品として活躍する素質があるだろう。国内においては2017年以降の豪雨被害による防災投資が活況を呈しており、防災製品における営業利益の積増が見込まれる。

不動産事業(15%)

■過去の営業利益分析
不動産事業は安定して年間3億円規模の営業利益を稼ぎ出しており、直近では営業利益の15%を占めている。年間3億円程度では他事業の営業赤字を補う程度の効果しかないものの、常に安定した営業利益を確保できる意義は大きい。

■将来の営業利益予測
将来的にも不動産事業の営業利益は現状維持で推移すると想定する。いこらも~る泉佐野は既にザイマックスの管理下にあるものの、2006年にテナントリニューアルを行うなど時世に応じた安定経営を遂行していることから当面の賃料収入は安泰である。青森県の太陽光発電所についても稼働開始から5年しか経過していない為、当面は安定収入を見込める。

財務の健全性

手元資金は余力に乏しい

■手元資金の特性
手元資金は直近では30億円台を維持している。売上高が年間600億円規模と考えると手元資金としては最低60億円が目安となる為、少々心もとない水準である。売上債権対買入債務比率に余裕があれば手元資金の少なさは受容できるが、概ね100%前後で推移しており余裕はない。有利子負債の拡大余地はあるものの、機動的な資金投入は難しい状況にあるといえよう。

■過去の手元資金分析
過去の推移を見ると、2012年と2014年に手元資金が急増しているが、これらの急増はそれぞれ性質が異なる。2012年の急増は借入金拡大による増加であるが、2014年の急増は棚卸資産と売上債権が現金化されたことによる増加である。2014年以降は手元資金が30億円台で停滞しているが、有利子負債の返済が進んだことから実質的な健全性は良化している。

自己資本比率は業界下位

■自己資本比率の特性
自己資本比率は2012年の暴落からの回復途上である。同業他社と比較すると、神鋼鋼線工業47.9%・日本精線71.5%となっており、業界下位の水準にある。業績の安定したグローバル企業であれば標準的な自己資本比率であるが、東京製綱は国内市場への依存度が高く業績も安定していない。企業存続を担保する為には2012年以前の40%台への回帰を目指したいが、現在の業績では早々の回帰は難しそうである。

■過去の自己資本比率分析
東京製綱は2012年に純損失288億円を計上したことで純資産が大きく毀損し、自己資本比率が暴落した経緯がある。最悪期には11.7%にまで減少しており、相当に危うい状況に追い込まれた。2013年以降は業績好調が続いたことで回復傾向にあるものの、自己資本比率は未だ30%前後に留まっている。財務の健全化に向けた再建は未だ道半ばであろう。

株価の割安感

BPSは暴落から回復途上

■BPSの特性
BPSは2012年を底に右肩上がりで推移している。このBPSの拡大は利益剰余金の積増が理由である。2012年から2017年までの5年間で利益剰余金365億円の積増したことでBPSは1599円にまで回復した。東京製綱はBPSの上下変動が激しいが、現在は2011年以前と異なり過剰投資を進める事業が存在しないことからBPSの再暴落をしにくい体質に変容している

■過去のBPS分析
BPSは2011年まで2500円前後で推移していたが、2012年に業績不振によって598円にまで暴落した。営業利益30億円規模の業容で純損失288億円を計上したことで、蓄積していた利益剰余金がすべて消し飛びBPSが急低下した格好である。再建に成功してからは着実にBPSを拡大させたものの、2018年以降は再び業績悪化に転じているため再び停滞する公算が高い

PBRは2017年から急速低下

■PBRの特性
PBRは2013年以降は右肩下がりで推移している。2013年以降は業績好転が継続したことでPBR1.0倍以上を維持していたものの、2018年に再び業績懸念が浮上したことでPBR1.0倍割れに転落している。既に株式市場は業績悪化によってBPSが毀損する懸念を織り込み始めている為、どの程度のリスクを許容できるかによって割安判断を下せるか分かれる。

■過去のPBR分析
2012年から2013年はPBR1.5倍を超える水準で推移しているものの、これは業績悪化による株価下落が原因である。株価の下落以上にBPSが暴落したことで相対的にPBRが高い状態になったに過ぎず、東京製綱の株式価値が高く評価されたことが理由ではない。歴史的には、株価が500円を下回るとPBRが割高水準に振れても株価下落が抑制されてくる傾向がある。

配当金の推移

配当金は業績連動型

■配当金の特性
配当政策は業績連動型である。東京製綱は配当政策として「各期の連結業績に応じた利益の配分を基本として、当期の業績、財務諸表等を総合的に考慮した利益配当」を掲げている。実際、BPSが大きく毀損した2012年以降は、配当金よりも財務再建を優先して無配当を継続している。現在の財務体質であれば配当金には過度に期待しない方が良さそうである

■過去の配当金分析
業績連動型を標榜しているとはいえ概ねフラットな継続配当を好む傾向が見える。特に2007年から2009年までは営業利益が下落傾向にあったものの、業績悪化の瀬戸際まで配当水準を維持している。2012年には泉佐野工場と小倉工場の閉鎖に追い込まれたが、その前年の2011年まで配当継続していた点は驚きである。

配当利回りは将来の減配を織込み

■配当利回りの特性
業績悪化の瀬戸際まで減配を避けることから、配当利回りは極端な推移となりやすい。平時の配当利回りは概ね1%台で推移しているが、最近は配当利回り4%台にまで上昇している。特に、2018年は業績懸念が浮上したことで株価が急落したにも関わらず、減配しなかったことで配当利回り4%台にまで到達している。

■過去の配当利回り分析
過去の推移を見れば明らかであるが、東京製綱は配当利回り1%台が標準であり、それ以上の配当利回りは継続性がない。2018年から陥っている業績悪化は現状回復の目途がなく、この配当水準が維持されることは見込み難い。潤沢な手元資金があれば継続配当も可能であるが、東京製綱は財務体質にも余裕がないことから当面の配当利回りの低迷は不可避だろう

総合評価

目標株価

850円

約6年間に及んだ好調は既に一服しており、業績低迷を抑制できるかが鍵となる。景気に影響されやすく損失額が膨張しやすいスチールコード事業や開発事業をどれだけコントロールできるかによる。19年3月期に国内主要工場に設備投資を実施したことで償却費が重荷になるか。政権による景気対策としての国土強靭化政策に期待したい。

投資判断

やや弱気

エレベータロープや防災製品など底堅い需要がある製品を有しており、好調時の利益水準は悪くない。しかし、2012年に計上した純損失288億円によって被った財務悪化からの再建が道半ばである中で、再び業績不振に見舞われたのは手痛い。奇しくも今回の業績不振もスチールコード事業のソーワイヤ・コアワイヤが原因となっており、前回の教訓を生かせるかが焦点である。ただし、前回の業績不振が太陽光発電パネルの突然の市況悪化によるものであったのに対して、今回の業績不振は従前から太陽光発電パネルの市況低迷は明らかであった為、前回ほどの打撃はないものとして中立評価とした。